紙製什器の印刷データを作るとき、「展開図のどこが正面になるのか」「折り線の近くに文字を置いてよいのか」「塗り足しはどこまで必要なのか」と迷うことはありませんか。
紙製什器は、平らな状態で印刷したものを折ったり組み合わせたりして使います。そのため、画面上で整っていても、完成すると文字が折り目をまたいだり、商品で隠れたりすることがあります。
確認の順番は、対象テンプレートをそろえる、線と面の役割を読む、背景と文字を配置する、完成形で見直す、入稿データを確認する、の順です。この記事では、展開図にデザインを配置するときの確認事項を紹介します。
デザインを始める前に、公式の入稿条件をご確認ください。対象商品のテンプレートが分からない場合は、商品名や品番を添えてお問い合わせください。
1.紙製什器の印刷データは、対象の展開図から作る
商品名・形状・印刷範囲をそろえる
展開図は、組み立て前の形状や加工位置を示す図です。似た外観の什器でも、サイズや段数、部品構成が違えば、使用するデータも変わります。
まずは、注文する商品とテンプレートが一致しているか確認しましょう。オーダーメイドの場合は、形状の修正前と修正後のデータを取り違えないことも大切です。
- 商品名・品番・サイズが注文内容と一致しているか
- 段数や仕切りなどの形状が一致しているか
- 印刷する部品や面が、依頼した範囲と一致しているか
- 形状変更があった場合、変更後のテンプレートか
紙製什器ドットコムのよくあるご質問では、テンプレートの使用を案内しています。手元に対象データがない場合は、商品写真から展開図を作り直さず、入手方法を確認してください。
完成品の外寸を、印刷データの大きさにしない
商品の幅・奥行き・高さは、通常、組み立てた状態の寸法です。展開図には折り返しや組み合わせに使う部分が含まれるため、完成品の幅と高さだけで印刷用の長方形を作っても、必要な形にはなりません。
例えば、卓上什器 ひな壇3段 W400 D300 H440の商品名にある寸法も、展開図のデータサイズを示すものではありません。対象商品のテンプレートと印刷範囲を確認してから作業しましょう。
什器そのものの大きさを検討している方は、紙製什器のサイズの決め方をご覧ください。
2.切り線・折り線と、組み立て後の面を確認する
線の色だけで役割を決めつけない
切り線は、切り抜く位置を示す線です。折り線は、折る位置を示す線です。ただし、線の色や実線・破線の使い分けは、テンプレートによって異なります。
「赤なら切り線」「破線なら折り線」と自己判断せず、データ内の説明や担当者の指示を確認してください。どの線を印刷に出すのか、加工用の線を入稿時にどう扱うのかも、指定に従います。
| 確認する部分 | デザイン時に見ること |
|---|---|
| 切り線 | 文字やロゴが切り抜き位置にかからないか |
| 折り線 | 折ったときに文字が分かれたり、読みにくくなったりしないか |
| 差し込み口・穴 | 表示したい内容と重なっていないか |
| 折り返し・重なる部分 | 完成後に隠れる部分へ重要な情報を置いていないか |
| 接着などに使う部分 | 印刷の可否やデザイン範囲に指定がないか |
正面・側面・内側を完成形と照合する
展開図を見ながら、どこが正面、側面、棚の前面、背ボードになるのか確認します。印刷面が組み立て後に外側を向くか、内側へ折り込まれるかも見ておきましょう。
分かりにくい面は、確認用のコピーに面の名前や上下の印を付けると整理できます。入稿用データへ独自の注記を残す場合は、その扱いを担当者に確認してください。

3.塗り足しと文字を置く範囲を分けて考える
背景は、指定された塗り足し範囲まで伸ばす
塗り足しとは、切り位置などにわずかなずれが生じても白い余白が見えにくいよう、背景色や写真を仕上がりの外側まで伸ばしておく部分です。
紙製什器ドットコムの入稿についてのページでは、塗り足しが必要な商品と不要な商品があると案内しています。すべての商品に同じ数値を当てはめず、対象テンプレートで指定された範囲に合わせてください。
背景を広げる際は、ロゴや文字までまとめて拡大するのではなく、仕上がりに必要なデザインと塗り足し部分を分けて調整しましょう。
塗り足しは、見せたい情報を置く場所ではない
ブランド名、商品名、説明文など、読んでもらいたい情報を塗り足し範囲へ入れないようにします。切り線の内側であっても、線に接するような配置は避け、必要な余裕を確認してください。
文字を切り線や折り線からどの程度離すかは、加工条件や形状によって判断が必要です。テンプレートに文字配置の目安がない場合は、独自に数値を決める前に相談しましょう。

塗り足しや文字位置の指定が読み取れないときは、対象の面と確認したい箇所が分かる画像を用意してご相談ください。
4.文字の向きは、折った後・商品を置いた後に確認する
展開図上の上下と、完成後の上下は同じとは限らない
折り返す面や別部品では、展開図を見たときの文字の向きと、組み立て後に読める向きが異なることがあります。データ全体を同じ方向にそろえる前に、各面が完成時にどう向くか確認しましょう。
形状が分かる資料や試作品を参照し、正面・左右・斜め方向から文字を確認します。縮小印刷した確認用紙を折ってみる方法も、面の対応を理解する助けになります。ただし、縮小した紙では実物の紙厚や強度、正確な組み立て具合は確認できません。
折り目をまたぐ文章と、商品で隠れる表示を見直す
背景の柄が複数の面につながるデザインでも、商品名や説明文は、一つの面で読める配置を検討しましょう。折り目に文字がかかると、見る方向によって文章が途中で見えなくなる場合があります。
また、什器だけの状態で見える表示も、陳列後には商品に隠れることがあります。背ボードの下部、棚の奥、仕切り付近などは、商品を並べた状態と照合してください。
- 正面から商品名やロゴを読めるか
- 側面の文字が、完成後に意図した方向を向くか
- 折り目・穴・差し込み部分に重要な文字がかかっていないか
- 予定数の商品を並べても、伝えたい表示が見えるか
- QRコードを載せる場合、折り目や商品が重ならず、想定する使用状態で読み取れるか

5.入稿用データと、確認用画像をそろえる
印刷するデータと見本画像を取り違えない
確認用のスクリーンショットは、レイアウトの見た目を共有するためのものです。編集可能な制作データなど、指定された入稿用ファイルの代わりにはなりません。
使用できるソフトや保存形式は、対象商品の条件を確認してください。別のソフトで作成する場合も、変換すればそのまま使えると判断せず、作業前に相談すると手戻りを抑えられます。
文字・画像・色の設定を点検する
公式の入稿案内では、文字の未アウトライン化、画像の埋め込み漏れやリンク切れ、解像度不足、RGBのカラーモード、確認用キャプチャの添付漏れを、よくある不備として挙げています。
- 文字:指定に従ってアウトライン化し、文字の見た目を固定する
- 画像:配置した写真やロゴが、入稿先でも表示できる状態か確認する
- 解像度:画像を実際に印刷する大きさで確認し、対象商品の条件に合わせる
- 色:指定されたカラーモードになっているか確認する
- 確認用画像:修正後の入稿データと同じ内容で用意する
アウトライン化などを行う前に、再編集できる元データを別途保存しておくと、修正時に対応しやすくなります。また、ブログ掲載用のJPG画像と、什器に印刷するためのデータは用途が違います。Web用のサイズや解像度設定を、そのまま印刷条件に当てはめないでください。
データチェックと、文章の校正を分ける
公式の入稿ページでは、確認用キャプチャを体裁の確認に使う一方、細部の確認や文字校正は行わないと案内しています。商品名・価格・連絡先・誤字脱字などは、入稿する側でも確認しましょう。
印刷色の確認を希望する場合は、レイアウトの確認とは別に、色校正の方法や対象範囲を相談してください。
6.入稿前は、展開図・完成形・提出ファイルを照合する
最後は、デザイン画面だけで完了にせず、「加工位置」「組み立て後の見え方」「送るファイル」の3つを確認します。
| 確認対象 | 最終チェック |
|---|---|
| テンプレート | 商品・形状・印刷範囲が一致し、変更後のデータを使っている |
| 加工位置 | 切り線・折り線・穴などの役割と、入稿時の扱いを確認した |
| 背景と文字 | 指定の塗り足しを設け、重要な情報が切れたり隠れたりしない |
| 完成時の表示 | 各面の上下が合い、商品を置いても必要な表示を読める |
| 制作データ | 文字・画像・色・保存形式を指定条件に合わせた |
| 確認用画像 | 最終版の制作データと同じ内容になっている |
| 提出ファイル | 旧版と最終版が混在せず、どの部品のデータか分かる |

形状や印刷範囲が途中で変わった場合は、変更前のデータをそのまま使わず、テンプレートとデザインの両方を見直しましょう。相談から納品までの進め方は、紙製什器のオーダーメイド製作の流れで紹介しています。
紙製什器の印刷データは、平面の見栄えと、組み立て後の読みやすさを両方確認することが大切です。分からない線や面があるときは、商品名・品番と該当箇所が分かる画像を添えて、デザインを確定する前にご相談ください。

